JPYC ユーザーコミュニティーによる二次流通安定化を目指したエコシステムの実装と実践: JPYC Stabilizer
JPYC は QuickSwap や SushiSwap などの DEX において二次流通が行われており、JPYC の様々な活用が進んでいる。一方、市場ニーズに大して流動性プールへの供給量が十分でなく、JPYC の二次流通価格は頻繁に乱高下していた。二次流通価格の不安定さは二次流通量の増加の足枷となると考えられるため、JPYC エコシステムのさらなる発展のためには、二次流通価格の安定化と流動性プールの供給量の増加が必要である。
そこで、本プロジェクトでは二次流通価格を安定させ、副次的効果として流動性プールへの供給量を増加させるための web アプリ JPYC Stabilizer を開発し公開した。
JPYC Stabilizer https://nuko973663.github.io/JPYCstabilizer/
本 web アプリは JPYC の流通量が最も多い Polygon Network を対象としている。本アプリは流動性供給量の多い QuickSwap と SushiSwap の JPYC/USDC スワップレートを定期的に確認し、一定以上のレート乖離が発生した場合に自動スワップを行うことによりレートの乖離を修正する。
この自動スワップ機能により以下の効果が期待される。
加えて、JPYC ユーザーは本 web アプリを利用して JPYC の安定化に貢献するとスワップレートの差によるインセンティブを得ることができる。このインセンティブにより JPYC ユーザーの主体的な JPYC 安定化が実現できる。JPYC Stabilizer は コミュニティードリブンの JPYC の二次流通価格安定化システムである。
本アプリケーションのリリースにより一定のスワップレート安定効果と流動性供給量の増加が実現された1,2。しかしながら JPYC から他の暗号通貨へのスワップ需要が依然として高く、1 JPYC = 1 JPY のレート実現には至っていない。
そこで、本プロジェクトでは今後以下の課題にも取り組む予定である。
Level 3
Polygon Network